Artist's commentary
GOUF FLIGHT TYPE (グフ 飛行型)
「Ring of GUNDAM」&「Gundam GQuuuuuuX」クロスオーバー・オリジナルストーリーに登場。
グフ飛行型は地球圏及びコロニー内の運用目的に開発されていたMSで、旧式だが現時点ではズムシティ防衛用に2~3機配備されている。画像のグフは肩のマーキングで誰が乗っているか特定できる(と言うか半ば強引に搭乗機にされたとか)・・・という設定。
この後、ザクⅢ、プロトキュベレイなどが出て、最後にZ、ZZが登場予定。マチュらはしばし待機組です。
今回も、ガンダム・アーキテクトからデザインをお借りしてフォトショで着色&マーキング貼り。Grokの照明効果などで仕上げしてます。
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(「CHAIKA&RICK DIAS」からの続き)
ルロイのリック・ディアスの足元に走り寄るシャリア。エグザベはすでに官邸に向かっていた。
「伍長!このまま官邸へ!護衛のザクは押されているはずです!」
「了解です!すでに官邸へはハマーン・カーン中尉が警護隊と共に入っております!」
ルロイの返事を聞いたシャリアだったが、心の奥では違和感を感じていた。
ハマーンの第2部隊は、正式の宇宙港とは公王庁を挟んでほぼ反対の位置にある隠しドック(軍事用の予備宇宙港)にいたはずだ。距離にして20km。それがテロ勃発直後に官邸に入ったと言うのか?
・・言いようのない不安が心の奥底から湧き出たシャリアは、ルロイに叫ぶ。
「伍長!ハマーンと会っても決してコクピットハッチを開けないように!バイオセンサーの感度も最大で!」
ルロイは、シャリアの言葉の真意をよく理解できなかったが、その声色から切迫した危機感は感じた。シャリアの勘を察すれば・・ハマーンも敵かもしれないということか?ならば単独でアルテイシアを救助するしかない。
ルロイはシャリアに返事をする代わりに、ディアスをホバー走行に切り替えて官邸へ急行した。
シャリアは、耳の通信用インカムを操作してソドンへ回線を開く。
「艦長、デザリアを先行させて早急にズムシティへ!阻まれたらゲートを壊しても構いません!」
その時、空からシャリアに向かって市街戦仕様のゲルググが迫ってきた。シャリアは殺気を感じて走り出す。しかし、ゲルググの照準は外れようがないだろう。自分は死ぬ。そう直感したシャリアのインカムに野太く馴染みある声が響いた。
「伏せろ!ブル大佐!」
その言葉が終わらないうちに、迫っていたゲルググの頭部とビームガンを持った右手が重厚なMS用バルカン砲の砲撃音と共に粉砕され、青い装甲を纏ったMSがゲルググに襲いかかるやいなや、その横っ腹を分厚い足の装甲で蹴り砕いた。ゲルググは空中で体勢を狂わされて、大通りに頭から突っ込んで静止した。
青いMS、グフ飛行タイプは滞空したままシャリアを見下ろしていた。
「ラル准将!それは!?」
「皆に黙っていたが私にもシンパがいてな。使い勝手がいいこれを回してくれたが、ここまで来るのに手間取ってしまった。」
「ではアルテイシア様は・・?」
「ハマーンが付いて今頃はリムジンに乗っているはずだ。」
「いかん!」
「・・ブル大佐?」
「准将も早く官邸へ!リムジンを追ってください!ハマーンとアルテイシア様を引き離さないと・・」
エグザベが官邸へ着いた時、アルテイシアを後部座席に乗せた武装リムジンが官邸から出ようとしていた。
「止まれ!そこのリムジン!」
リムジンの助手席に座っていたハマーンは、それを見て軽く舌打ちして運転手に命じた。
「行け。跳ね飛ばしても構わん。」
加速度をつけたリムジンはそのままエグザベに突進した。エグザベは、リムジンの挙動に驚きながらも横に飛んで跳ね飛ばされるのをギリギリ逃れた。
「車を停めなさい!ハマーン、エグザベは味方のはずです!」
後部座席から様子を見ていたアルテイシアは驚きながら防弾ガラス越しにハマーンに叫んだ。運転席側のブロックとアルテイシアの後部座席とは防弾ガラスと鉄板によって区切られていた。前方から銃撃を受けた場合の対策である。
リムジンは停止したがハマーンは返答せず、運転席のタッチパネルに指を走らせエアコンの操作パネルを呼び出し、いくつかのボタンに触れた。
ガラス越しにハマーンの挙動を見たアルテイシアは、ここにきてようやく自分が「騙された」と直感した。後部座席のエアコン操作パネルを探るが電源を切られていた。では、普段はスカーフとして使っている毒ガス対策用マスクを・・しかしそれはハマーンの傷の手当てで使ってしまい手元にはなかったと、ハマーンの後ろ姿を見てハッと気づいた。
「・・催眠・・ガス・・?」
社内の空気の流れを感じると共に自分の意識が遠ざかっていくのが分かった。すべてがぼやけていく・・。
こうもたやすく騙されるとは・・自分の地位に慢心してしまっていたのか・・?その原因を顧みることはできるのだろうか?そんな思いを薄れゆく意識の中で燻らせつつアルテイシアは速やかに眠りの世界へ入っていった。
そしてその様子をバックミラーで見ていたハマーンは一人呟いた。
「・・あなたをお護りする志は変わっておりません。しかしその手段は変えなければなりません。」
リムジンは再び前進し始めた。しかし突然その視界をリック・ディアスの足が塞ぎ、足のホバーの強風がリムジンを大きく揺らす。
「ハマーン中尉!私がお供します!」ルロイの声がスピーカーを通じて響いてきた。
「早撃ち早抜きのギリアム伍長か、勘も良かったはずだ。侮れんな・・。ならば彼に頼るしかないか・・」
ハマーンは、シャリアやエグザベが身につけていたものよりも一回り大型の通信用インカムを右耳に取り付けて操作すると話し始めた。
「大尉。出番です。おそらくラル准将も出てくるはずなので複数機で支援を。私のMSもよろしくお願いします。」
「了解した。今、太陽ピラーを超えた。4分で着く。」逞しさを感じるバリトンの効いた男の声だった。
「2分で頼みます。」と短く答えたハマーンは、リムジンの外部スピーカーを起動させた。
「こちらハマーン・カーン中尉だ。ルロイ・ギルアム伍長だな?ご苦労。まもなく増援が来る。伍長には後方の護衛についてもらおう。そしてオリベ中尉。運転手が驚かせてしまい申し訳ない。緊急事態ゆえ許してほしい。」
リムジンのそばに立ったエグザベは、スモークがかかった後部座席の窓から中を探ろうとしたがよく見えなかった。助手席の窓に近づき防弾ガラス越しにハマーンに大声で語りかける。
「緊急ゆえの行動、了解した!アルテイシア様はどうか!?怪我は!?」
「心配ない!気を失っているが無事だ!」
そこにラルのグフが官邸の裏から現れた。リムジンの上空30M。足の装甲のフックにシャリアが捕まっていた。
シャリアはグフが官邸の屋上にさしかかると、そこに飛び降りた。
「ハマーン・カーン!車を止めて外へ出よ!聞きたいことがある!」
ラルの威圧感がある声がグフのスピーカーを通して聞こえてきた。その声でルロイのリック・ディアスの態度が変わり、頭部バルカン砲のカバーが開いて銃身が現れた。
「フ、慌てた准将殿が何を出してきたかと思ったら・・・」
旧式のMSを前に動じることなくハマーンは不敵な笑みを浮かべた。
(つづく)

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