Artist's commentary
炸裂! 超戦士を襲うギニューの必殺技、ボディチェンジ
初心にかえってギニューの話を書いてみましたが、名前やら何やらいろいろと捏造しているので、気にされる方はブラウザバックでお願いします
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強大な力と力のぶつかり合う衝突音が、小さな星の大気を震わせている。しかし、そのパワーは拮抗しているとは言い難い。胴着のような簡素な服を身に纏った男に対し、戦闘服を着た男は、一方的とも言っていいほどに攻撃を受け続けている。
──ミルグは、生まれながらの天才だった。言葉を覚え始めた幼少の時点で、すでに彼は自身の住む星の頂点に立つほどの力量の持ち主であった。
どんな敵が現れようと、彼の手にかかれば瞬く間に撃退され、星を支配できるような存在は一つとしてなかった。
突如として現れた侵略者──フリーザという者の手下たちが星の平和を脅かしに来た今も、彼にとっては大したことが起きたようには思えなかった。意気揚々として彼の目の前に立ちはだかり、奇妙なポーズを何度も見せつけてくるギニューと名乗った男には多少困惑させられたものの、いざ戦闘に入ってみればその力は彼の半分ほどであった。
力の差は歴然だった。だが、ギニューはそんなことなど意に介さずといった様子で、その身を無謀とも言えるほどに投げ出し続けてくる。明らかにその行動は、常軌を逸していた。
そして、それは彼の部下たちにも言えることだった。自分たちのリーダーが一方的に打ちのめされ続けているというのに、助勢に入るでもなく、ニヤニヤとその光景を眺めているのだ。ミルグはこの世界に生まれ落ちて初めて、得体の知れない恐怖のようなものを感じ始めていた。
*
「お前は私には決して敵わない。部下たちを連れて、早くこの星から立ち去れっ!」
丸太のように太い腕を組み、転がった侵略者を見下ろすミルグ。その目線の先で地に伏したギニューの全身からは、おびただしいまでの血が流れ出し、腕は骨折しているのかダランと垂れている。しかし額に大量の脂汗をかきながらも、彼は薄気味の悪い笑みを浮かべて、なおも向かってこようとしている。
その尋常ならざる姿にミルグが戸惑っていると、ギニューは狂ったように大声で笑い始めた。
「くくく……、ふふふ、はあっはっはっはっは!!」
「な、何がおかしい?! あまりの力量差に気でも触れてしまったのか?」
ギニューの体は、すでに治療を要するほどの深手の傷だらけで、とてもではないが笑える状況ではない。それでも、彼の瞳は気味の悪いほどに爛々と輝き、口元は笑みを隠せないといった具合に歪み切っている。
その不気味さに怯んだミルグを尻目に、フラフラと立ち上がった彼は、両腕をガバッと開くと耳をつんざくような大声を張り上げ出した。
「気に入ったぞ!! 貴様の超パワーを持ったその体、それにそのイカした顔も! 正に俺の求める理想の肉体だ!!!」
瀕死とは思えないような唸り声を上げながら、全身からエネルギーを発するギニュー。大地が震えるほどのピリピリとした殺気に、その場にいる者たちは汗を滲ませる。それだけにとどまらず、その気迫に当てられたミルグの肉体は、金縛りにあったように身動きが取れなくなった。
「うおお゛お゛お゛ぉぉぉぉぉっ!!!」
「な、何だ……? クッ……、か、体が動かんっ……!」
「頂くぞ、その強い体をッ!! ぬおおぉぉぉぉーーー!! チェ……、チェーーーーンジッ!!」
ギニューの叫びと同時に、二人の肉体が光に包まれる。ミルグの体の奥底が疼き出し、吐き気のような居心地の悪さとともに、何かが肉体から溢れ出しそうになっていく。頭の天辺から爪先まで、全身のエネルギーが口元に集まると、食いしばっていた歯が独りでに上下に開き、巨大な力の波がその開いた隙間から勢いよく飛び出した。
向かい合った二つの肉体を覆う光が激しく明滅し、開いた口に真っ白な光の橋が架けられる。その橋を道筋に、ミルグの魂はギニューの口の中へ、ギニューの魂はミルグの口の中へと吸い込まれていってしまった。
*
「くっくっく……フハハハハッ!!」
二人から発せられていた光がおさまり、シンと静まり返った空気の中、ミルグが声を上げて笑い出した。常に冷静で、感情を滅多に露わにしなかった彼の突然の変貌に、戦いを見守っていた星の住人たちは顔を見合わせている。
彼は感覚を確かめるように己の指先を動かすと、後ろを振り返り、朽ちかけた建物の方へと歩み寄っていった。そして、目指す先を阻むように立っていた人々を、彼はまるで雑草でも狩るように手刀で撫で切りにしてしまった。驚いた住人たちは、蜘蛛の子を散らしたように飛び退くと、恐怖に震え始めた。人々の間を縫って行った彼が足を止めたのは、今にも崩れ落ちそうな家の窓の前だった。
侵略者によってヒビの入ったガラス窓には、紫色の肌をした巨体が映っている。己を磨くうちに手に入れた、目を見張るほどの筋肉に覆われた逞しい体。ツルリとした頭部には極太の血管が浮かび、二本の角が生えている。どこか知的な印象を与えていたはずの精悍な顔立ちは、今はなぜか冷淡な表情へと変わってしまっていた。
ニヤリと口角を上げたミルグは、不意に身に着けていた胴着を引き千切り、その裸体を露わにしてしまった。ガラスには筋肉で盛り上がった鋼のような肉体が、あられもない姿で映し出されている。その磨き抜かれた体を見つめながら、彼はキレのある動きを繰り返し、珍妙なポーズを取り始めた。
「おおぉ……、すばらしい。素晴らしいぞぉ、この体はっ! 男らしいイカした顔に、紫色の肉体美!! この俺様が考えたポージングにぴったりの、ナイスなボディではないかっ!! もちろん肉体だけではなく、この股間のモノもなぁ! ヌフッ……、フハハハハハッ!」
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