オリジナル作品です。

ある日、心優しいアリスは病気の母を喜ばせようと果実を求めて森の近くまで来ていた。

そこへ執事のような服を着たウサギが人間の言葉でアリスに話しかけた。
「何を探してるんだい？」
「目が見えないお母さんの為に果実を探しに来たの」
「それなら、目の病気にたちまち効くリンゴがあるよ！ここへ来る途中、森の中でそのリンゴの木を見かけたよ。案内してあげるよ！」
森の中へは入ってはいけないと母から言われていたが、母の病のためにウサギと一緒に森へ入った。

「ところでウサギさんは、何か探していたの？」
「僕らの国の王様を探していたところだよ。でも大丈夫！」
何故かわからないが、どうやらその王様は服を着ていなく裸らしい。

一時間ほど森の中を歩いていたら、目的のリンゴのなる大きな木にたどり着いた。
今まで見たこともないような真っ赤なリンゴ、見るからに美味しそうだった。
「食べたらきっとお母さんの目はすぐに良くなるよ！」とウサギが続けて・・
「でも、アリスは家へ着く前に絶対食べちゃダメだよ、わかった？」

森を出てウサギと別れて少しした時、どうしても我慢できずアリスはリンゴを口にしてしまった。
（一つだけなら食べても平気だよね・・こんなに美味しいんだもの・・・）

アリスは気を失ってしまった・・。

目覚めると不思議な造形の城のような建物の中に居て、おどろおどろしい金の玉座に裸で拘束されていた。

「お目覚めですか、裸の王様のアリス！」