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Artist's commentary
野営食事風景
戦場までの荒野へと続く道中の一場面をイメージして描きました。。。
夕刻程前に、途中隠れ身には持って来いの場所を見つけた。
「ここをキャンプ地とする!」
威勢の良い掛け声をしたのは、ここの武将である椛だった。その掛け声とともに、静かに前進していた連隊は安どの声が漏れていた。すると慣れているのであろうか、誰が言うまでもなく食事や寝床に必要な準備を開始していた。
私は何か手伝えることはないかと辺りを見渡すも、それ以前に慣れない環境と体力の面で仕方なく程良い岩に腰かけた。
汗を少しばかり拭う。すると俯(うつむ)いていた私に声がかかる「あなたも大分疲れただろう」そういう声は椛だった。
「えぇ、今日の出来事があまりにも大きすぎて…」
「そうだなぁ~。私も突然目の前で眩い光がしたかと思えば、その先にはあなたが居たものな」
そう、私は恐らく間違いなく飛ばされて来たのだろう。直感ではあるがここは私たちがいた世界ではない。
私はいつものように探検をしていた。古びた境内で見つけたそれは鏡と本が一体になっていた不思議な本だった。
その本の鏡も鏡でそれは不思議な物で、映るその世界は裏返っていなかった。いや、それよりもっと驚いたのが、映ったその鏡には『私』という存在が映っていない。
あまりにも奇妙だったこのアーティファクトを見つけると、私はすぐに「メリー! 面白いのを見つけたよ!」と大声を出していた。
…!? そうだ。メリーはどうしたんだろう。私は―
蓮子「初めまして、私は蓮子といいます」